江 戸組紐実演のページ


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伝統工芸士の平田竹峯先生。写真右の姿勢から眠たくなって、後ろへ転げ落ちたそうです。(大阪の阪急百貨店にて)
後ろにつっかえがないので、この姿勢で眠ることは非常におそろしいと言っておられました。
高さが割と高いので、仰向けに落ちると非常に痛い。
ちなみに、これを高台と言います。(六種類ある織機のうちの一つ)


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写真右はほとんど完成に近い帯締です。この状態になるまでにおおよそ四日かかります。
手作業なのでなかなかはかどりません。大変根気のいる仕事です。

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写真右に見える茶色い棒が竹でできたへらです。これを使って糸を寄せていきます。先生のへらは長年使用しているので、
握り手の部分が手の油でしっとりとしていました。約三〇年以上使用していると、糸で磨かれて竹べらの色が本当の小豆色に
なるそうです。ちなみに糸を引っかけている部品(小さい突起が多数並んでいるもの)を駒といいます。



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写真左は金井秀治という職人の作られた帯締です。左から二番目の写真を見たらわかるように、先が少し変わった形をしています。
これを俗称はえたたきの帯締といいます。先がはえたたきのような形をしているのがわかって頂けると思います。
製作工程が非常に難しく、この技法が使えるのは日本でこの人一人だそうです。
糸をつがずに同じ一本の糸で途中から模様を変え、また元に戻すというのはこの道40年の平田先生でも無理だそうです。
ちなみに、この金井秀治という人は、人間国宝の授与が言い渡されたときに、自分は一介の職人だからという理由で、
自分から表彰を辞退したそうです。
昔は職人仲間であまりにも馬鹿にされていたらしかったそうですが、ある時思い立ってひたすら技術を磨いたそうです。
その結果、誰にも真似できない技法を編みだしたとのこと。ところがこれがあまりに難しく、今度は自分の息子に教えようとしても
息子が真似できなかったそうです。
今度、制作現場をビデオに撮って保存しておこうかという話が業界の職人の間ででているようです。

写真の右から二番目は、金糸やプラチナ糸で織られた帯締です。(平田竹峯作)
真ん中の銀の帯締は一本が60万円です。おそらく国産の帯締では最高級品でしょう。右の金の帯締が38万円、左の白の帯締が
15万円です。

写真右は、左から唐織、小桜、両面亀甲です。(いずれも平田竹峯作)
先生のオリジナルの作品ですが、こちらは2万5千円程度からあります。いずれも大島紬や小紋などの上にはもってこいだと思います。

とにかく、楽しい実演会でした。職人気質がよくわかった催しでした。次回いつやるかは未定ですが、機会があれば
開催したいと思います。


組紐ロマン1

組紐ロマン2

組紐ロマン3

組紐ロマン4

組紐ロマン5

組紐ロマン6

組紐ロマン7

組紐ロマン8

組紐ロマン9

組紐ロマン10